
そのこころざしは
日本のモノづくり現場にプロツールの新しい選択肢をつくる

山田 悟(やまだ さとる)
- 海外商品部 ドイツオフィス 主任
- 2022年からドイツオフィスを拠点にヨーロッパのプロツールメーカーの仕入先様開拓に従事。食や文化の違いにお国柄が反映されるように、ツールも国ごとに持ち味や考え方が異なります。世界のプロツールを日本に届けることは、日々苦労の連続です。
品質・規格・デザインが異なる世界の逸品を日本のユーザー様へ
日本のユーザー様には、特定の用途では「このブランドでなければ」など、海外製プロツール(工場用副資材)を使いたい意向を持つ方が数多くいらっしゃいます。こうしたニーズにお応えするため、トラスコ中山は国内ブランドの商品に加え、海外ブランド商品のラインナップを積極的に拡充しています。
ドイツ西部の都市デュッセルドルフにあるトラスコ中山のドイツオフィス。ここに駐在して3年目の山田 悟オフィス長は、海外製プロツールの魅力をこう語ります。
「ヨーロッパには歴史ある工具メーカーが多く、規格、デザイン、仕様、品質、用途、価格帯などにおいて、日本のブランドとは異なる価値を持った商品が多くあります。ドライバー1つを取り上げても、メーカー様ごとに独自の設計思想で工具が作られています。例えば、グリップの握り心地をとことん追求したもの、ネジをなめにくい刃先の加工に特許を持つもの、油の付いた手も滑らないようグリップに工夫を凝らしたドライバーもあります。」
また、アジアや北米にも特色あるツールがあり、山田オフィス長はこれら海外ブランドならではの価値を持つ商品を、トラスコ中山の使命として日本のユーザー様に供給したいと考えています。
ユニークな特徴を持つ海外ブランドのプロツール
日常生活でも常にアンテナを高くし、新たな仕入先開拓の機会を逃さない
魅力ある海外ブランド商品を調達するために、山田オフィス長たち海外拠点のメンバーは、頻度高くプロツールの展示会に参加し、有望な商品を発掘してメーカー様と交渉を重ねています。
「そのほかにも、日頃から各国の工具店や金物店、ホームセンターなどに足を運び、個性あるツールや欧州市場で売れている商品をリサーチしています」と山田オフィス長。「散歩で通りかかった工事現場や、旅行で訪れた空港やホテルなどで面白い商品を発見することもあります。」
良い商品が見つかり、海外で人気だからといって日本でもそうであるとは限らないため、日本市場のユーザー様とマッチするかをさまざまな角度から検討するそうです。その後、工場見学を交えて何度も商談を重ね、お互いの条件が合致すれば取引成立に至ります。「日本市場に合った梱包や輸送の形態、支払い条件、最低発注量の交渉など、日本とは商習慣が異なるために調整すべき課題はいくつもあります。全ての交渉がスムーズに進んだとしても、一社の仕入先開拓に最低3カ月はかかります」(山田オフィス長)。
現地メーカー様のモノづくり製品の歴史を学ぶ様子
日本のモノづくりを支えるために、価値ある商品の調達を続けていく
一つひとつの仕入先開拓が実を結び、トラスコ中山では現在、世界30カ国・350社を超える海外ブランド商品を輸入しています。その過程で、多くの海外メーカーが日本市場に興味はあるものの、文化や言葉の違いが壁となって進出できずにいる事情も浮かび上がってきました。
「そこで当社が橋渡し役になれば、プロツールを必要とする日本の幅広い産業に商品をお届けすることが可能です。海外メーカー様からは、商品の価値を深く理解した上で、日本市場のユーザー様と確実につなげる卸商社としての手腕に、期待を寄せていただいております。」(山田オフィス長)
「新規仕入先の開拓はゴールではなく、通過点です。まだまだ日本のユーザー様に知られていない商品、良さが伝わり切っていない商品は多く、それらを日本のモノづくりを支える存在に引き上げていくのが目標です」と佐々木主任は強調します。「引き続き、海外メーカー様と力を合わせ、日本市場のユーザー様に魅力あるプロツールの選択肢を増やしていきます。」
海外の仕入先様の数は30の国と地域、353社にのぼる(2024年12月末時点)
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