Project Report PB商品ができるまで

商社としての強みを活かしたトラスコ中山のプライベート・ブランド「TRUSCO」。
約300社のメーカー様の協力を得たOEM生産で、付加価値の高い商品を世に送り出し続けています。
TRUSCO商品の開発を担うPB商品課では、東京、大阪それぞれのメンバーが創意工夫のもとラインナップ拡充に取り組んでいます。

Interviewee

課長青山 幸史朗

東京本社 PB商品課 PBプロダクトデザイン課
平成10年入社 龍谷大学卒

入社後、各支店でSSL、SSPを経験し、熊谷支店や富山支店での支店長を経て、2016年1月より現職。


張本 祥子

東京本社 PB商品課
平成19年入社 関西学院大学卒

入社後、プラネット名古屋と愛知県内の3支店での営業経験を経て、平成23年にPB商品課に異動。

Report 1

PBを通し、新たな価値を提供する

プロツールの専門商社であるトラスコ中山には現在約45,600アイテムのプライベート・ブランド(PB)商品があり、メーカーとしての一面を持つ。PB商品課で開発するアイテムは、品目数ベースでメンバー一人あたり年間200~300点。同時進行でいくつもの商品の検討・開発を進める必要があり、スピード感が求められる仕事だ。
「売上実績から今どんな商品が求められているかを読み解いたり、競合他社のカタログを研究して、当社に欠けているカテゴリを探ったりなど、常に市場ニーズにアンテナを張っています」。日々の仕事への姿勢をそう語るのは、PB商品課の一員として6年目を迎える張本だ。
発案した商品は、各担当者が責任を持って製造を委託するメーカー様との商談をスタート。PBプロダクトデザイン課が作成した試作品をもとにさら話し合いを深め、さまざまな要件を整理する。その後開発のメドが立てば、東京・大阪のPB商品課が集まる週に一度のテレビ会議での審議へかけられる。メンバー全員で製品化の是非を考え、必要に応じて見直しを重ねていく。
PB商品課とPBプロダクトデザイン課の課長を兼任する青山は「発案から発売までには数年がかりとなるケースも少なくありません。コストや技術面など乗り越えるべきハードルも多数ありますが、PB商品の開発はトラスコ中山として商社だからこそ肌で感じているモノづくり現場の課題解決のための商品を世に送り出すという意味を持った事業です」と意義を語る。

Report 2

常識に捉われない発想を大切に

PB商品には、既存のメーカー製品を土台に仕様・価格・デザインなどを見直した「スライドPB」が多く存在する一方、トラスコ中山らしさの発揮のために重視されるのが、ゼロベースで新たな商品をつくる「ユニークPB」だ。ユーザーニーズに応えた画期的商品を数多く送り出し、さまざまなカテゴリでグッドデザイン賞を受賞している優れものである。
例えば、軽量樹脂台車「カルティオ」もトラスコ中山らしさが表れた大ヒット商品だ。カルティオでは、天板をメッシュ構造にするという新しい発想で大幅な軽量化を実現。モノの運搬が台車の目的である以上、「穴が開いた天板」は従来の常識ではあり得ない。重くて扱いづらいなら、穴を開けて軽くすればいいという、専門メーカーではないからこその発想だ。「ある意味で“素人”の常識に捉われないところに、おもしろいアイデアは生まれます」と張本は言う。また、青山は「商品の着想パターンも実にさまざまです。たまたま見かけた新型車のボディシェイプやカラーから製品への着想を得る人がいれば、障がい者の事故のニュースをきっかけにユニバーサルデザインのカラーコーンを思いつく人もいます」と語る。仕入先様との商談や展示会はもちろん、街で出会った光景、テレビや新聞などのメディアなど、PB商品につながるヒントは多様なシーンに広がっている。

Report 3

全社がPB開発に関わる仕組み

トラスコ中山のPB開発の大きな特徴のひとつが、「PBアイデアBOX」である。思いついたアイデアを投稿できる専門コーナーをイントラネット上に用意し、誰もがPB商品開発に携わることができる。投稿は、PB商品課の毎週のテレビ会議で審議される。
「投稿されるアイデアは技術・コスト面などから実現が難しいものも多いですが、はっとするような斬新な視点がしばしば盛り込まれています。それを見落とさず、必要に応じて改良を加えて商品化を目指すことが私たちPB商品課に求められる役割だと思っています」と青山。
PB商品課がテレビ会議で選抜した商品は、月に一度の「新商品検討会」での発表へ出される。社長や取締役、部長などが一堂に会する中で、商品コンセプトや仕様をプレゼンし、役員からも直接意見やアドバイスを受ける。「競合品との差別化が図れているか」「販売見込みは十分といえるか」など厳しい目でのチェックを経て、審議をパスしたものだけが商品化のチャンスを得るのだ。
「だれもがPB開発に関わるチャンスを持つのが当社の良さです。私たちPB商品課のメンバーも全員、かつては支店での営業に携わっていた一般の社員で、商品開発について特別な資格や知識を持つわけではありません。販売店様、ユーザー様の声を一番間近で聞くことができる営業部隊にいたからこそ、近い目線で商品開発に取り組むことができるという点が当社の強みになっていると思います」と張本は想いを語る。

Voice

自分で考えた商品をゼロから形にし、お客様から評価をいただけるというのは非常にやりがいのある仕事です。社名を冠した自社ブランドでは、当社の姿勢や考え方を表す鏡のようなもの。今後はさらにユーザー様との直接的な対話の機会を増やし、その声を反映したPB開発で、モノづくりの合理化や生産性改善、競争力強化に貢献していければと思います。信頼いただける品質と性能を持った製品を送り出し、モノづくり立国ジャパンブランドの一翼を担っていければ嬉しいです。


事前のリサーチを重ねても、開発した商品が実際どのぐらい反響を得られるのかは販売してみるまで分からず、毎年毎年の実績を見るのは怖くもあります。だからこそ余計に、自分がつくった作業靴や防具をユーザー様が現場で使ってくださっているのを見て、「軽くて気に入っている」など言っていただけたときの喜びは大きいです。いろいろ制約がある中で新しい商品をつくり続けるというのは大変ですが、本当に夢のある仕事だと感じています。

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