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Project Report 01デジタル編

Outline

現在トラスコ中山は、従来の商習慣やビジネスのあり方を根本から見直し、サプライチェーン全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。

  • Navigator
    和久利 智彦
    デジタル推進部
    デジタル推進課 課長
    2007年入社

    複数の営業支店での13年間の営業経験を経て、デジタル推進課の立ち上げに当たって同課の責任者に就任。

  • Navigator
    武内 伸広
    デジタル推進部
    デジタル推進課 主任
    2008年入社

    情報システム部データ管理課を7年間経験し、
    基幹システム「パラダイス」の刷新プロジェクトに参画したのち、デジタル推進課に異動。

サプライチェーン全体の利便性向上に向けて

電話やFAX、メールで日々大量に寄せられる問い合わせや見積もり依頼、商品の発注。機械工具の卸売業界では、これらに人手と時間をかけて対応していくのが長年の常識だった。基幹システム「パラダイス」のリニューアルに参画した武内は、「今回求められたのは、こうした従来のビジネスのあり方を見直し、変革していくこと。単純なシステムの更新ではなく、販売店様・仕入先様・ユーザー様を含めたサプライチェーン全体の利便性向上がプロジェクトの目的でした」と振り返る。
コンセプトは、「自動化できる仕事は、システムで全て自動化!」。直接・間接的に100名以上の社員が関わり、開発に2年以上を費やした新基幹システム「パラダイス3」は、2020年1月に本格稼働となった。
主要テーマのひとつが、見積もりの自動化だった。全国の支店には毎日約5万件の見積もり依頼があり、担当者たちは日々その対応に追われていた。「新システムに搭載した見積もり自動回答システム「即答名人」では、AIが過去の実績をもとに価格と納期を自動算出して瞬時に回答します。それにより発注・納品を急ぐ販売店様のニーズに応えることができ、事実、従来の見積もりに比べて自動回答した見積もりは成約率が5%向上しています」と武内は成果を語る。
トラスコ中山は、ビッグデータ、AI、IoT、RPAといったデジタル技術を用いた、多種多様なサービスを展開している。販売店とのコミュニケーションを円滑にするスマートフォンアプリ「T-Rate(トレイト)」や、売上に応じた適切な在庫数を持つように管理する在庫管理システム「ザイコン3」も始動。ユーザーの工場内に常にトラスコ中山の在庫を置き、必要なときに買ってもらう「MROストッカー」も、究極の即納の仕組みとしてスタートさせた。

社内への意識浸透がプロジェクトの鍵に

2020年8月には、デジタル推進課が創設される。「今後大切なのは、新システムを徹底的に活用し、取引先様にも広げていくこと。その鍵を握るのが社内への意識浸透です」と語るのは、同課の課長に就任した和久利だ。和久利はこれまで一貫して支店での営業に携わってきただけに、「仕事のやり方を変える難しさ」を理解する。「自分の営業手法を確立している人ほど、やり方を変えるのには抵抗があるもの。しかし、私たちの目的はあくまで取引先様の利便性を高めることです。そのためにまず当社自身が変わらなければならないという理解を、根気強く求めていく必要があります」という和久利の言葉に武内も同意し、「マインドを変え、行動を変える。反発を受けることもありながらも、チェンジマネジメントを進めてきました」と話す。
10名のデジタル推進課のメンバーは、地域別に支店を担当する。オンライン通話アプリを活用し、定期的な打ち合わせでシステムの活用方法を伝えていく。スムーズな展開には人間関係も肝になる。「取引先様の利便性のために取り組んでいるので、営業活動に近い感覚があります」と和久利は話す。実際、デジタル推進課のメンバーの全員は支店での営業経験者で、発想も営業的。営業現場の気持ちを汲み取れるのはジョブローテーションのなせる業だ。
「パラダイス3」の始動から11カ月。支店の雰囲気は少しずつ変わり始めている。「取引先様への新たなツールの推進を支店の最優先取り組み事項にしてくれたり、営業からも個別に『システムのこの部分の使い方を教えてほしい』など前向きな問い合わせが増えてきています」と武内は手応えを語る。

デジタル推進課は東京本社と大阪本社にスタッフが分かれて在籍。
情報共有のため定期的にオンラインミーティングを実施。

「DXグランプリ」という思いがけない成果

DXグランプリ予想外の展開もあった。2020年8月、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「DX銘柄2020」に応募した535社中、35社に選定され、更に、その中からトラスコ中山が「DXグランプリ2020」に選ばれたのだ。AIによるデータ分析を独創力としてサービスに転換してきたこと、DX施策をKPI化し、経営判断に活かしてきたことなどが評価された。
当時、配属直後だった和久利は「社外の反応の大きさに、これはとてつもない賞なのだということを実感すると共に、それを支えてきたメンバーのすばらしさを感じました。一方で、今後担当部署となることへのプレッシャーもあります」と話す。武内もまた、「受賞にはとにかく驚きましたが、微力ながらそこに貢献できたと思うと嬉しいです。私たちシステム担当部門だけの成果ではなく、トラスコ中山の団結力や企業文化、経営方針などから導き出された結果だと思っています」。
トラスコ中山の業務改革プロジェクトは、ようやくスタートを切ったばかりにすぎない。「まずは、『デジタル化で業務効率が大幅に上がった』という声が社内外でもっと挙がってくる状態を目指さなければならない。効果を徹底して検証し、現場の声を踏まえた新ツールの開発なども今後必要になるでしょう。長く当たり前としてきた仕事のやり方を抜本的に見直し、取引先様の利便性を高める新たな仕組みを構築していくのが私たちの使命だと考えています」と和久利は抱負を語る。

Wakuri’s Voice

デジタル化を通じ、部署横断で全体最適を目指す業務改革プロジェクトは、当社にとって全く新しい取り組みであり、そこを切り拓いていくやりがいは大きいです。プロツールの卸売は、歴史ある業界だけに昔ながらの商習慣が強く残ります。まずは私たちが取引先様の目線でサプライチェーンを変えることで、モノづくりに貢献していければと思います。当社は団結力の強い会社であり、やると決まれば必ず大きく飛躍できます。今まさにその第一歩を踏み出した重要な段階にいるのだと感じています。

Takeuchi’s Voice

私たちデジタル推進課だけでは決して完結できないプロジェクトで、支店のメンバーやその先の販売店様、仕入先様、ユーザー様など多くの人を巻き込んでいくのが、仕事のおもしろさであり難しさです。システムマニュアルを作って配布すれば済むといった簡単な話では全くなく、すべての人が腹落ちするように働きかけていくことが欠かせません。私自身もかつては支店業務に携わっており、その経験を振り返りながら、システム目線に偏ることなく各方面とのコミュニケーションを深めていきたいです。

※掲載内容は取材当時のものです。