令和2年(2020)メッセージ「奇創天外(きそうてんがい)」

「奇想天外」、辞書を引けば「普通では考えつかないほど変なこと」とありますが、「独創的なこと」と読みかえてみたいので「奇創天外」としました。

いつの時代も、奇創天外の発想が世の中や企業を進化させてきました。「誰もが思いつき、誰もが進む方向に成功の文字はない」と考える私にとっては、「奇創天外」の発想こそ人間力の見せ場だと思います。

「人にしかできない仕事」と語るなら、人工知能では生み出せないアイデアを生み出すべきです。アイデアこそ人間だけに与えられた最高の知力だと思います。「しくみより人間力だ」と唱える人もいますが、「しくみのないところに人は育たず」だと思います。

しくみのないところで、いくら頑張ってみても、努力に見合う結果が出ないばかりか、いつもペダルを踏み続けなければ倒れる自転車のようなものです。人間力が魅力の人力車も観光地では受けるでしょうが、ビジネスに「人力車の発想」を取り入れても誰も喜んではもらえません。

ビジネスで重要な利便性の提供には、やはりしくみが必要なのです。
今こそ、人間力を生かして、奇創天外なしくみやビジネスアイデアを生み出すべきです。

昨年10月より稼働を始めた高密度収納・高速入出荷の切り札である「オートストア」「バトラー」などは奇創天外のかたまりのような物流機器です。
聞くところによると「オートストア」の発案者は、ルービックキューブをしながら「オートストア」を発案したというから驚きです。「バトラー」にしても、棚へ商品を取りに行くのではなく、棚が自ら動いてピッカーのところに来るという、「天動説」か「地動説」かと思わせるぐらいのアイデアだと思います。

また、トラスコのビッグデータといえば、一品ごとの販売実績だと思いますが、残念ながらほとんど活用されておらず、年間売上いくらだったで終わっているのが実情です。一品ごとの年間販売実績をオレンジブックに記載すると、ユーザ様の商品選択の参考にもなるのではないでしょうか。また、品番に販売実績データも結びつけることにより、ビックデータ活用が飛躍的に高度化できるのではないでしょうか。「販売動向」「高密度収納」「効率的在庫手法」等、今まで見えていなかったものが、見えてくるような気がします。

勘と思い込みは時として致命的な失敗を犯します。データの分析と活用により、当社AIの成長を加速させ、次のステージに進むための礎としたいです。

アイデアは大きいものだけでなく、小さなものまでどれも重要です。かつて、ある女性社員が言った「懐中電灯をもっと増やせば」の一言で、LED化の波も追い風に、今では作業灯・照明用品は年間約40億円のビジネスとなりました。

日常茶飯事の景色の中にも、ものすごいアイデアが潜んでいると思います。
ちょっとしたアイデアが、奇創天外なアイデアにつながるかもしれません。
今年も一人ひとりがアイデアの創出者になることを願います。

(令和2年社内向け年頭所感より)

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